発行日:平成20年3月5日
発行所:行橋市大橋2丁目
浄 蓮 寺
 前号へ
 山茶花は花びらを散らしますが、椿は花ごと地面に落ちます。落ちる花を大地は丸ごと受けとめます。終わっていった私たちの先祖たちも如来という大地に受けとめられていることでしょう。5日間の彼岸法要には最高の布教使の先生を招きます。
どうぞ本堂でお説教をお聴聞下さい。


3月19日(水)
3月20日(木)
山下 慈生 師
3月21日(金)
3月22日(土)
3月23日(日)
松月 博宣 師
(本願寺派布教師)
※法要はすべて朝席9:30、昼席13:00からです
※19日は午後からの昼席のみです。

 『深く生きる』
 第一に大切なことは、本当の自分に出遇っていくということを考えて欲しいと思います。河合隼雄(かわいはやお)さんという人をご存知でしょうか。臨床心理学者ですが、その方の本に、夜釣りをした人の話が載っています。
夜中に船のエンジンが停止して、帰れなくなった時のことです。人々はあわてふためいて、誰かが海の上をライトで照らしましたが、数十メートル先まで見えるが、帰るべき浜は全然見えません。一体どうしたらよいのだろうと、乗組員たちは、思案にくれました。その時一人が「そのライトを消せよ」と言いました。ライトを消してあたりが真っ暗になりましたが、目が慣れてくると、うっすらと、ぼんやり浜の町の灯りが見えてきたのです。「あっ、港はあっちだ」といって、皆で力を合わせて帰ることが出来たそうです。私はこの本を読ませていただいたとき、凄いことだと思いました。私たちは、手元の明るさに眩惑されて、モノが見えなくなってしまう。それが消したとき、向こうから見えてくる世界があるのです。
私たちは明るさを求めています。しかし、あまりにも明るすぎると、眩惑されて、大切なものが見えてこないのではないでしょうか。
(平成11年1月)
松月先生は今度の彼岸法要のご講師です。すばらしいご縁ですので、足を運んでください。

前号へ