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保育園の園長だった頃、朝子供を保育園に連れてきた保護者が口々に「はやくしなさい」を繰り返していたことを思い出します。親は子供のノロノロを辛抱し、子供は親のガミガミを辛抱しているといったところでしょうか。東井義雄先生が書かれた「妻」というタイトルの詩があります。 |
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妻 |
「何もしてあげることができなくて
すみません」
ポツリと
そんなことをいう 妻
「なんにもしてあげることができなくて
すまん」のは こっちだ
着るものから たべるものから
パンツの洗濯まで
してもらってばっかりで
「なにもしてあげることができなくて」
いるのは こっちだ
しかも 妻に
「すまん」といわれるまで
「すまんのはこっちだ」ということにさえ
気がつかないでいた
こっちこそ
ほんとに すまん。 |
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東井先生はあるとき、寝ておられる奥様の足の裏を見て驚かれます。雑巾が真っ黒になりながら、床をきれいにするように、奥様は自らの足を真っ黒にしながら、一日中お寺や家族のために働いていることが想像できたからです。
東井先生は思わず奥様の足に向かって「なもあみだぶつ」と称えられたそうです。
自分のことばかりを主張して、辛抱してもらっている世界には気づこうともしない私がここにいます。「なもあみだぶつ」という仏さまが、辛抱に辛抱を昌寝て私のことをお救いくださるということが、『讃仏偈』というお経の最後に説かれています。 |
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