発行日:令和2年3月3日
発行所:行橋市大橋2丁目
浄 蓮 寺
前号へ
 暖冬の今年、境内の白木蓮は、例年より早く満開を迎えそうです。
 この度、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月17日(火)より21日(土)まで予定しておりました彼岸法要を中止することに致しました。
 皆様の健康と安全確保を最優先に考え、感染リスクを少しでも減らすことができればという思いから、総代会会長とも協議し判断いたしました。なにとぞご理解いただきますよう宜しくお願い致します。来月の法要には皆様にお会いできますように、事態が終息に向かえばと願っております。  合掌
住職のひとこと
 日本には昔から鬼退治の話があります。節分には豆まきが有名ですが、京都では恵方巻きや玄関先にイワシを吊して邪鬼を払う習慣が今でも普通にあります。自然災害や病気の流行が鬼の仕業であると考えたからでしょう。
 今、若者に大変人気の漫画に「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」というのがあります。これも鬼退治の話です。鬼が人を食べるので、退治しないといけないという話なのですが、自分から鬼になった者もいれば、いやいや鬼になった者、いつの間にか鬼にされた者もいます。
 ある布教使の話です。お寺の婦人会の方が人の多い電車に乗っていたそうです。向かい合わせに長い椅子がある車両です。中高年のその女性は、椅子に座っていたのですが、途中から乗って来た若い女性が隣に座るなり、自分の方に足を組んできました。非常識な、と思いながらも黙っていると、今度は化粧。さすがに注意をすると不機嫌な顔をして謝りもしません。そして駅に着くと、立ち上がるなり「うるせえ、ババア」という捨て台詞を残して降りていったそうです。
 腹が立っておさまらないその女性は、もうひとこと若い娘に文句が言いたくなり、同じ時間の電車に次の日も、その次の日も乗ったそうですが、とうとう出会うことはできませんでした。
 この一部始終をお寺で話し、お念仏を称えたらすっきりしました、という美談ではありません。仏の教えを聞こうが、念仏称えようが、思い出すたびに怒りがこみあげてくるというお話です。
 鬼のような心は死ぬまで消えないことでしょう。これは決して人の話ではなく、縁があれば私にも巡ってくる話です。こんな恐ろしい私が救われていく道はあるのでしょうか。
 自力では救われないからこそ、助けたいと立ち上がってくださった仏さまがいらっしゃいます。阿弥陀さまのお慈悲によってしか救われる道はないようです。
あなかしこ あなかしこ 南無阿弥陀仏
新時代へバトンタッチ
天生田地区の総代・中村様の後任として、安廣様(写真右)が新しく就任することになりました。1月の御正忌報恩講の最終日に、地区の皆様の感謝の思いが込められた綺麗な蘭が中村様に贈られました。欠席の中村様に代わり奥様が受け取られました。
中村様、5年間有難うございました。安廣様、どうぞ宜しくお願い致します。


前号へ